最近、社会生活においても、普段の生活においても「健康」がキーワードとなり、健康についての関心が高まりつつあります。 以前は、とにかく安ければいい、という風潮もありましたが、今では、少し割高ではあっても「健康に良いもの」や「本物」を使いたいという人たちが徐々に増えてきております。住宅においても有機化合物が多量に含まれている加工製品(ベニヤ板や壁紙等)ではなく、天然素材の、ムクの木材が求められるようになりました。特に内装材として使用する材料においては、その場所が常日頃生活する空間であり、特にこどもたちやお年寄りがその影響を強く受ける要因でもあります。 現在、問題となっているアレルギー疾患や目がチカチカしたり、頭痛・吐き気なども内装材に含まれている科学物質「ホルムアルデヒド」が原因のひとつだといわれています。また、最近の住宅は、気密性が非常によくなっており快適な生活を過ごすことができます。しかし、同時にそのことは、人体に有害な細菌が繁殖しやすい環境でもあるのです。特に直接、肌が触れる床や壁などから有害な細菌(大腸菌・黄色ブドウ球菌等)に感染する場合があります。 高温・多湿の日本では、湿気を吸い取り、また、放出してくれる湿度調節機能を備えた木造住宅が最適です。NITTOでは、創業時よりヒノキ、スギ等ムクの天然素材を使用し、安全で安心できる床材や壁材を生産しております。 さらに、当社の全製品はノンホルマリン対応で、よりいっそう健康で快適な生活をお過ごしいただけます。
木は熱を通しにくい
菜箸や鍋の把手に木が使われているのは、木が熱を通しにくいからです。この木の特性は、寒暖の差の激しい日本の住宅には非常に適しています。床や壁、天井に木を使えば、戸外の熱を通しにくいため、夏は暑さがこもらず、冬は冷え冷えとしません。各材料の熱伝導率を比べると水を1とした場合、木材は0.5、鉄は105となり、鉄は木材の200倍も早く熱を伝えます。コンクリートは木材の3〜4倍です。このように木材を使用した床は皮膚温を奪いませんが、特にコンクリートの場合は急激に冷えていきますので、足や膝の疲れが生じるのです。これらのことは、木材が保温性、断熱性に優れ、住宅資材として住み心地の良い材料であることを示すものです。(図-1)
木は自然のエアコン(夏涼しく、冬暖かい)
おひつに入ったご飯がいつまでもおいしいのは、余分な蒸気を吸収し、また足りなくなった水分は木が補ってくれるからです。木は湿気を吸収し水分を補う湿度調整機能を供えています。床や壁、天井に木を使用すれば、木が自動的に部屋の湿度を調節し快適な湿度を保ってくれます。この湿度調節機能は、湿度の高い日本の気候には適しており、結露の防止にも役立ちます。(図-2)
木は自然のサングラス
目は身体の中で最も敏感なところで、目が疲れるとやがて身体全体に疲れが出てきます。人間の目は、室内もまぶしさを嫌う反面、落ち着いた光を好みます。反射率50〜60%の光が人間の目には最も適していると云われます。人間にも最も適した反射率はヒノキや畳で、スギや障子がこれに次いでいます。また、木材は目に悪い紫外線を吸収する働きが最も強い素材です。木から反射された優しい光が人の気持ちを優しくしてくれるのかもしれません。(図-3)
部屋の中で森林浴
- 木のある暮らしはストレスを減らし、健康的 -
森の中にいると人はとても清々しい気持ちになります。これは「フィトンチッド」と呼ばれる殺菌作用を持つ物質が樹木から発散されているからです。この「フィトンチッド効果」は、木が大地から切り取られた後も持続します。例えば、ヒバで造った家には蚊が少なく、桧には鎮静・鎮咳作用、スギには大脳を刺激して脳の働きを活発にする作用があるといわれています。フィトンチッドを使った実験でも、血圧が下がり脈拍も落ち着く実験結果が出ています。このように木のある空間で暮らせばストレスもたまらずリラックスした健康的な生活を送ることが出来ます。(図-4)
地球温暖化の防止
樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収・固定して地球温暖化を防いでいます。つまり、大気中から吸収した二酸化炭素と根から吸い上げた水を原料として、太陽エネルギーと葉緑素の働き(光合成)で糖をつくり、酸素を放出します。樹木は、二酸化炭素を原料にして成長していきます。木材の重量の半分が炭素といえます。若い樹木は成長が早いので年間の炭素固定量は年ごとに増加していきます。しかし、老齢期になると成長が止まり、炭素固定量はゼロに近くなります。人工林では、年間の炭素固定量が大きくなり、成長が止まる頃、森林を伐採して木材として利用し、その跡地には植林をするので、森林全体はいつも若々しく成長し、炭素固定量を高いレベルで保つことができます。
二酸化炭素を吸収する木材の本数(年間)
木造の家は「もうひとつの森」
樹木にはたくさんの炭素が蓄えられており、それらの木を製材し、住宅の部材として使用されても木材の炭素は蓄えられたままです。いわば木材は「炭素の缶詰」といえます。たとえば延床面積136㎡の木造住宅では、木材を約24㎥使用しているので蓄えられている炭素量は6トンにもなります。一方、鉄筋コンクリート住宅(RC造のマンション)や鉄骨プレハブ住宅では、木材使用量が少なくなるので蓄えられている炭素量は約1.5トンで木造住宅の1/4です。我が国の全住宅に使われている木材の蓄えている炭素の総量は約1.41億トンでそのうち木造住宅が1.29億トンを占めています。これは、日本のすべての森林が蓄えている炭素総量の約18パーセントに相当すると試算されています。つまり、街の中に「もうひとつの森」があるということです。